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ブルックナー 交響曲第8番(シューリヒト) [クラシック音楽]

ブルックナー 交響曲第8番
     ウィーン・フィルハ-モニー管弦楽団
     カール・シューリヒト:指揮
     1963年

太古の昔から(笑)名演と褒めちぎられ、
しかし最近ではさすがに若干影が薄くなりつつある演奏。
でも、個人的にはいまだこの演奏が8番のベスト。
ブルックナーに求めるものは人によってまちまちだとは思いますが、
個人的には雄大なスケール感を出すよりは
清澄、透明感ある美しい響きを求めたい派。
新しい録音でも壮大なスケール感の演奏やドラマティックな演奏、
理路整然と上手にまとめ上げた演奏は数多くあると思いますが、
シューリヒト自身の他に出ている数多いライヴ録音を含め、
このタイプの演奏はこのウィーンPO盤がほとんど唯一のもの。

アダージョの全く泥臭くない透明感溢れる”天上の音楽”はこの演奏がベスト。
これを聴いてしまうと他の、あのクナの名演でさえ人間臭が感じられ物足りない。
ジュリーニ、カラヤンのドロドロ感なんてもっての外(苦笑)。
スケルツォは切れ味鋭く力強く、重量感には欠けますが好みのタイプ。
フィナーレは若干の迫力不足の感がないわけでもないが、
全曲通しての感じで言えばこの演奏を締めくくるにふさわしい力演。

ブルックナーの8番に森羅万象や大自然を感じるとすれば、
世評が高いカラヤンやヴァント、ジュリーニやハイティンクなどではなく、
この演奏が一番。
他はどこかに人工臭が残るか腕ずくでの音楽作りが気になりますね。

ブルックナー:交響曲第8番

ブルックナー:交響曲第8番

  • アーティスト: シューリヒト(カール),ブルックナー,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M)
  • 発売日: 2007/08/22
  • メディア: CD


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コメント 2

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stern

たまたま見て。生意気かもしれませんけどコメントさせていただきます。
音楽の感想って人によってやっぱり変わるものですねぇ(再生環境も違うのでしょうが)。

私にはシューリヒトとウィーンフィルの演奏だって充分に人間臭や人工臭があると感じられると思うのですけど(録音も含めて)・・・。
もちろん自然的な素晴らしいところたくさんあります。
金管楽器はうるさいほどなところもありますし、指揮者のテンポ設定も不自然さがないわけでないと思うのです。

同時期のウィーンフィルとのライブ盤はステレオにこだわる人には論外かもしれませんが、私は最近は指揮者とオーケストラがもっとこなれていてこちらが好きです。
蛇足ですが、第4楽章の録音で採用しなかったパッセージを取り入れたりしているのも興味深いです。

とはいえシューリヒトの演奏が自然そのものというのは言い過ぎでは?

by stern (2010-03-12 19:39) 

haru

朝比奈、ヴァント、クナッパーツブッシュ、カラヤン、ジュリーニ、ヨッフムetc、
これらの演奏は良かれ悪かれどこか”指揮者臭”が感じ取れますが、
シューリヒトの「スタジオ盤」は所謂これら名演と呼ばれている演奏に
比べたら私にはずっと”自然”に感じます。
(ライヴ録音の数々はさにあらず。)
仰るとおり音楽を聴いた感じ方は人それぞれですので
そうは思われない方々も多くいることは方々のレビュー等を読んで
承知していますが、少なくとも私にとってこの演奏が
”自然そのもの”というのは言い過ぎだとは思ってはおりません。
by haru (2010-03-13 00:57) 

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