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メンデルスゾーン、チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲(ハイフェッツ) [クラシック音楽]

1:チャイコフスキー  ヴァイオリン協奏曲
2:メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲
3:チャイコフスキー  ゆううつなセレナード
4:チャイコフスキー  ワルツ~弦楽セレナードより
     ヤッシャ・ハイフェッツ:ヴァイオリン
     フリッツ・ライナー:指揮 シカゴ交響楽団(1)
     シャルル・ミュンシュ:指揮 ボストン交響楽団 (2)
     室内管弦楽団(3、4)
     1957年4月19日(1) 1959年2月23、25日(2)
     1970年7月8、10日(3、4)

昨年はメンデルスゾーン生誕200年だったんだ。
ジルベスター・コンサートで指摘されるまですっかり忘れてた(汗)。
というわけではないが遅まきながらメンデルスゾーンを。

もう散々賞賛され尽くした感のある名盤。
でも、この演奏にアンチ的な人も結構いて、これほど評論家筋では評判がいいのに
一般リスナーに受けがあまりよろしくない演奏も結構珍しい!?

メンデルスゾーンで言えばこってりカロリー高く
いかにも”ロマン派~っ”という感じのムター、カラヤン盤や、
そこまでカロリーが高くなくても情緒豊かな古くはクライスラー、
壮年期のスターンやオイストラフ等々潤い豊かな演奏はいくらでもあり、
そういう演奏の方が曲調にぴったり、というのはごもっともだけれども、
たまにはこういう贅肉をそぎ落としキリッと引き締まった演奏も悪くはない。
と言うか、一生懸命に「心こめて弾いてますよ~」的な”押し付け的大力演”
(前出の諸演奏ではなく、巷にあふれ返る”それ系”演奏の数々)よりも
スマートに格好よく流すこの演奏の方がずっと好み。

チャイコフスキーに関しても「完璧と言うだけで情緒も何もなし」との批判多数。
「完璧でない、なんとなくごまかしながらそれっぽく弾いているだけ」な演奏よりも
よっぽどましだと思うけど。
いやいや、「情緒も何もない」どころか、この快速テンポで微動だにしない
テクニックの中、こんなにも微妙なニュアンスを盛り込んで弾き切れる人、
いまだにいないのでは?
個人的にこの曲、聴いていてこっ恥かしくなるような甘美に過ぎるメロディーの数々、
それに輪をかけて浪漫の厚化粧をした演奏よりもハイフェッツの演奏の方が
胃にもたれずにしっくりくる。

とは言うものの、ハイフェッツの大作コンチェルト、この2曲や
ベートーヴェン、ブラームスといった名曲、
素晴らしいものの、なかなかベストには推し難いのも事実。
やっぱりハイフェッツは大作よりも小品の方が抜群に素晴らしい。
そういう意味で実はおまけのラスト2曲の方が
個人的にはこのアルバムの中でイチオシ(2曲だからニオシ??)
だったりする。

メンデルスゾーン&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

メンデルスゾーン&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

  • アーティスト: ハイフェッツ(ヤッシャ),チャイコフスキー,メンデルスゾーン,ライナー(フリッツ),ミュンシュ(シャルル),室内管弦楽団,シカゴ交響楽団,ボストン交響楽団
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/11/07
  • メディア: CD


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木曽のあばら屋

こんにちは。
情緒たっぷりでロマンティックな演奏も良いですが、
ハイフェッツの、そぎ落とし&研ぎ澄まし系
スマート演奏も好きです。
この2曲をここまで即物的にしかも完璧に演奏してみせるというのは
たいへんな離れ業です。

小品のほうが素晴らしいというのは慧眼ですね。
by 木曽のあばら屋 (2010-01-11 05:59) 

haru

特にこの2曲とかマーラーあたりは曲そのものが
相当ロマンティックに書かれているのに、それに輪をかけて
情念を込めて演奏されるのは一発聴きにはいいんですが
何度も繰り返し聴くには少々胃もたれしてちょっと敬遠したくなります。
マーラーのバーンスタインの新盤の方とか特に(汗)。
たまに聴くとえらく感動するんですけどね。

>小品のほうが素晴らしいというのは慧眼ですね。

そんなに多くのCDを持っているわけではないですが、
個人的にハイフェッツのベストCDはツィゴイネルワイゼン、
ロマンス等々が入った1枚です。
by haru (2010-01-11 07:46) 

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